カヤ油とは

カヤ油とは榧(カヤ)という常緑針葉樹の実から採れる油のことです。
カヤの実はオリーブの実に似ていて黄緑色で楕円形をしています。この青い果肉を割ると中にアーモンドのような殻があり、その中の種の部分をカヤ油の材料としています。
有名料理店では揚げ油にカヤ油を混ぜているそうです。かの徳川家康公もカヤ油で揚げた天ぷらがお気に入りだったとか。
食用以外では行燈の灯火油や整髪油としてもカヤ油は使われました。

榧の木とは

榧の木は元々成長がとても遅い樹で、部材がとれるほど幹が成長するまでおよそ300年かかるといわれています。そのため市場にはめったに流通しておらず、さらに現在では榧そのものが伐採されて生産量が減ってしまい、それに伴ってカヤの実やカヤ油の取り扱いもほとんどなくなってしまいました。
榧の木材は保存性が高く、加工品は年を重ねるごとに風合いが増してゆき、色も趣のある黄金色になるのだそう。囲碁や将棋の盤の材料としては最高級で、特に宮崎県日向地方、奈良県春日山産のものが有名です。

榧と日本の文化

榧は古来より日本の様々な文化に関わってきた樹木です。
ドングリや栗とともに、カヤの実が遺跡から出土していることから、日本では縄文時代にはカヤの実を食べていたことが分かっています。その他、枝や間伐材を燻して虫除けにも使われました。カヤの語源は「蚊遣り」からきているという説もあります。
さらに、カヤの実は神様の供物や縁起物として扱われており、大相撲の「土俵祭り」という儀式の際にその他の供物と一緒にカヤの実が土俵の中に封じられるほか、山梨県では「かやあめ」というカヤの実を使ったお菓子が縁日で売られています。

カヤ油の効能

カヤ油はトコフェロール(ビタミンE)が豊富に含まれているため抗酸化作用があり、アンチエイジング効果が期待できます。また、血中の悪玉コレステロールの減少、動脈硬化や高脂血症予防など、生活習慣病の予防にもなります。また、カヤ油に含まれるシアドン酸という成分が中性脂肪とコレステロールの低下に効果があるという研究結果が確認されています。シアドン酸については解明できていない部分も多いので、これからの研究に期待が高まりますね。

カヤ油の使い方

通常のサラダ油と同じく炒め油としても使えますし、ドレッシングやお菓子を作る際に混ぜて使うこともできます。しかし、なかなか入手できない貴重な油だからこそ、徳川家康公が愛したカヤ油の天ぷらを味わってみるのはいかがでしょうか。カヤ油で揚げた天ぷらは香りがよく、さっくり揚がります。

まとめ

榧の木そのものが今では珍しくなってしまったようですが、東京都港区にある徳川将軍家と縁のある増上寺では、樹齢600年以上の立派な榧の木を見ることができるようです。なんでも港区の天然記念物に指定されているのだとか。一度見に行ってみたいですね。