別名:七色唐辛子、なないろ
七味唐辛子は日本の家庭でよく使われる辛味調味料です。一般的に呼び方は2通りあり、西日本では「七味唐辛子」、東日本(特に関東)では「七色唐辛子」と呼ばれることもあります。
唐辛子が日本に持ち込まれたのはポルトガル宣教師によるものとする説や、戦国時代で豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に持ち込まれたとする説等があります。
七味唐辛子として広まったのは江戸時代の初期でした。江戸の商人が発売し、それが江戸っ子の人気を集め全国に広がったと言われています。
どの香辛料を混ぜる、という決まりはなく、主に唐辛子・ケシのみ・山椒・胡椒などの様々なスパイスをブレンドして作られます。物によっては、ゴマ・海苔・シソ・生姜などが入っていることもあります。
健康効果①食欲増進
唐辛子や麻の実などが入っている場合、食欲増進効果が期待できます。特に赤唐辛子は七味唐辛子には欠かせませんので、味のアクセントとともに食欲も増してくれます。
健康効果②胃腸に効果的
赤唐辛子の食用増進効果と併せて、山椒が入っている場合は胃腸に優しく働きかける効果があります。ただし、刺激のあるものでもあるので、食べ過ぎは体に悪く逆効果です。
健康効果③風邪などからくる咳を止める
七味唐辛子の中に「陳皮」が入っている場合、咳止めの効果があります。
陳皮は漢方でも登場する咳止めに効果的な植物で、熟したマンダリンオレンジの皮を干して乾燥させたものです。
七味唐辛子にオレンジが入っていたなんて、と意外に思うかもしれませんが、あの複雑な味わいを出すためには陳皮は欠かせない材料なのです。
有名な七味唐辛子
・浅草寺門前「やげん堀」(東京)
ヒョウタンの形などをした木の容器に入った七味唐辛子です。お土産品などとしても人気があります。
赤唐辛子や黒ごま、山椒、陳皮、麻の実、けしの実などだけでなく、漢方からヒントを得たという独自の配合で作られます。
使用した時の香りが非常によく、爽やかな中にもピリッとした刺激を感じます。
いつもの料理をさらに複雑な味わいにしてくれる調味料です。
・清水寺門前「七味家」(京都)
京都の老舗の七味唐辛子です。粉のタイプのほかに、練り七味などの珍しい商品も取り扱っています。
ひょうたん型、筒形の木の入れ物に入ったもののほか、陶器に入った高級感のある者もあります。
七味以外にも、ニンニクや唐辛子を入れた辛みその京板醤などの珍しい品も多数取り扱っているのが特徴です。
日本の心が生み出したブレンドスパイス
様々なスパイスをブレンドして作られる七味唐辛子は、日本で作られたブレンドスパイスです。いろいろな味が楽しめ、料理を一気に複雑な味わいにしてくれる七味唐辛子は、メーカーや商品によっても味が異なります。自分好みのものを使い分けるのもいいかもしれません。