中華系調味料「ジャン(醤)」は、ペースト状の調味料の総称。味噌のように大豆を発酵させて調味したものや魚介の旨味を活かしたものなど、バリエーション豊かなジャンがあります。

すべてのジャンの特徴は、旨味が強い調味料であるということ。そのため料理に加えるだけで深い旨味を与えることができますが、反面ジャンだけで調味すると、画一的な味わいになってしまいます。

それぞれのジャンの特徴を理解し、他の調味料と組み合わせることで、ジャンのもつ旨味を上手に料理に活かすことができます。ここでは比較的有名で料理に利用しやすい5つのジャンをご紹介致します。

発酵した豆のコクと鮮烈な辛味のジャン・豆板醤

そら豆を発酵させて赤唐辛子で辛味をつけたジャン・豆板醤は、中華料理の定番のジャンで、特に四川料理には欠かせない調味料です。麻婆豆腐や回鍋肉・海老のチリソース痛めなど、辛い中華料理の味のベースによく利用されます。熟成が進むにつれ唐辛子の赤い色が茶色く変化し、辛さもまろやかになっていきます。

また、似た調味料としてコチュジャンがありますが、こちらは韓国料理によく利用され、もち米麹で発酵させているため豆板醬より甘味があります。

まろやかな甘みが深みを醸し出すジャン・甜麺醤(甜面醤)

北京ダックの甘いつけダレなどに利用される甜麺醤も、中華料理に欠かせないジャンです。

中華甘みそとも呼ばれる甜麺醤は、八丁味噌にも似た独特の風味とこっくりとした甘味が特徴。回鍋肉や麻婆豆腐の隠し味として深いコクを与え、そのままでも食べることができるので、北京ダック・生春巻きのつけダレとしても人気です。

胡麻の香ばしさと旨味のシンプルジャン・芝麻醤

白胡麻を炒って香りを引き出してからペースト状にし、胡麻油でなめらかにのばした調味料・芝麻醤は、中華料理のみならず、濃厚胡麻ペーストとして様々な料理に利用されるジャンです。

棒棒鶏や担々麵、冷やし中華やつけ麺のゴマダレの他、砂糖や塩などの味がついていないので、サラダやしゃぶしゃぶのたれなど、幅広く料理に応用できる便利さが人気です。

海鮮の旨味リッチなジャン・XO醤

XO醤はジャンの中では珍しい、干し貝柱や干し海老といった乾物を原材料とした調味料です。干し貝柱・干し海老の濃厚な旨味を香味野菜・唐辛子で風味付けしていますので、非常に旨味が強く、中華粥などの淡白な料理のトッピング・鍋のアクセントや豆腐の薬味として利用されます。広東風の炒飯・焼きそばや炒め物に相性が良く、独特の深いコクは少量加えるだけで味に奥行きを生み出すことができます。

そんなXO醤は香港の広東料理レストランが発祥といわれ、のちに中国・台湾でも人気となったそうです。“逆輸入ジャン”といえるかもしれませんね。

複雑な香味の饗宴を楽しむジャン・麻辣醤

中華系調味料の中には辣醤と呼ばれる、複数のジャンがあります。麻辣醤は、花椒・青山椒のしびれる「麻」と唐辛子の「辣」に、豆鼓醤やピーナッツペーストのコク、シナモンや胡椒のスパイシーな香りと香味野菜を加えたジャンです。「花椒辣醤」とも呼ばれ、ただ辛いだけではない複雑な香味を楽しめます。

「香辣醤」も花椒の刺激的なしびれを楽しめるジャンですが、こちらはシナモンの代わりに八角が使われていることが多いようです。

料理にひとさじのジャンで革命を!

中国だけでなく、韓国・台湾・香港などのアジア各国の料理には、まだまだ紹介しきれないたくさんのジャンが用いられています。料理に深いコクや旨味、刺激的な辛味やしびれを与え、そのまま利用できるジャンもあれば、加熱することでさらに豊かな香りを楽しめるジャンもあります。しかしそんな便利な調味料であるにもかかわらず、ご家庭の冷蔵庫で眠っていることも多い調味料でもあります。炒め物・汁物にはほぼ万能調味料といっても良いので、気軽に使って毎日の料理に革命を起こしましょう。