科目:コショウ科コショウ属

原産地:インド南西部

■実は4色ある!?

最近になってようやく料理によってコショウが使い分けられるようになってきましたが、以前は、白コショウを粉状に挽いたものが瓶や缶に入ったものがオールマイティに活躍していました。実は、収穫のタイミングや製法の違いによりコショウは4種類に分類されます。相性の良い料理も微妙に異なるため、何種類か常備し、使い分けてみるとより本格的な味わいを楽しめるでしょう。世界で最も親しまれている黒胡椒(別名『ブラックペッパー』)は、胡椒の木から取れた完熟前の実を長時間かけて乾燥させたものです。強い独特の風味があるため、特に牛肉との相性が良いと言われています。白胡椒(別名『ホワイトペッパー』)は、赤色に完熟してから収穫した後、乾燥させ、更に水に漬けて外皮を柔らかくして剥いたものです。ブラックペッパーより風味が弱く魚料理と相性が良いとされています。日本で一番普及しているのは、このホワイトペッパーでしょう。逆にコショウの中でも最も知られていないのが青胡椒でしょうか。ブラックペッパーと同様、完熟前の実で収穫しますが、塩漬けか短期間で乾燥する点が異なります。爽やかな辛みがあり、肉料理と魚料理の両方と相性が良いと言われています。タイ料理では、香辛料としてではなく、実を食材として利用することもあります。最近、レストランなどで良く見かけるのが、赤胡椒(別名『ピンクペッパー』)です。赤色に完熟してから収穫しますが、ホワイトペッパーとは異なり外皮をはがさずにそのまま使用します。南米の料理で使用されることが多く、マイルドな風味があります。色合いもよいので料理のアクセントに使うとおしゃれに仕上がります。

■コショウは『天国の種子』

コショウには、古来より抗菌・防腐・防虫作用があるとされており、冷蔵技術が未発達だった中世では、料理に欠かすことのできないものでもあり、大航海時代には食料を長期保存するためのものとして極めて珍重されました。1世紀のローマにおいては、金や銀とコショウが等価で交換されたという説もあります。中世ヨーロッパでも、香辛料の中で最も高価なため、貨幣の代用として用いられたりもしました。このため、輸入をしていたヴェネツィアの人々は胡椒をさして「天国の種子」と呼んでいたそうです。日本には奈良時代に中国を経て伝来しましたが、当時は生薬として用いられていたようです。その後、調味料として利用されるようになったのは平安時代からです。

■コショウの辛味成分「ピペリン」の働き

コショウの辛さの素となっているピぺリンには、抗菌・防腐・防虫作用があります。さらに、強力な抗酸化作用があり、活性酸素の発生や酸化力を抑え、損傷した細胞を修復し、免疫力を高め、動脈硬化やがんの発生を防ぐ働きがある優れものです。

■コショウは挽きたてが一番おいしい!!

コショウについて色々とご紹介してきましたが、最後に、コショウが一番美味しくいただける方法についてお話すると、粉状にしたものも便利ですが、挽きたてが一番風味を味わっていただけます。保存期間も挽く前の状態で保存しておくのがベストです。ご家庭に一つペッパーミルを置いておくと、コショウ本来の風味を損なうことなく味わっていただけると思います。