少しずつ寒さが増すこの季節の、おいしいものといえば鍋。そんな鍋にスパイスやハーブを用いると、具材の臭みを取り食欲を駆り立てる香りで、いつもの鍋がグレードアップして感じられます。さらにスパイスとハーブの健康効果も得られます。

ここではそんな遊び心と健康効果を両立させた、おすすめ鍋のアイデアをご紹介します。

しびれる美味さが身体を温める!麻辣鍋

麻婆豆腐や担々麵などに用いられるスパイス・花椒は、鍋に柑橘系の爽やかさと舌にピリッとしびれる刺激を与えてくれます。

その鮮烈な風味は豚バラ鍋・もつ鍋・水餃子鍋などにおすすめ。鍋にごま油を入れてクミン・にんにく・生姜を炒め、水・オイスターソース・鷹の爪・豆板醤・醤油・みりんを煮立てたスープは、白菜やしめじとの相性抜群。豚バラやもつ・餃子などの肉類の具を入れて火が通ったら、たっぷりの花椒・にら・辣油をのせてできあがり。好みでにらをパクチーに変えてもおいしくいただけます。

花椒は血圧を抑え、ホルモンバランスを整える効果があるといわれています。クミンは胃を守り、花椒と共に消化促進にも効果を発揮しますので、消化能力が落ちる冬場には最適な鍋です。

次世代「酸っぱ辛」鍋の最有力候補!ラッサム鍋

辛味と適度な酸味がクセになるトムヤムクンは、鍋のスープとしてもおいしい料理です。一時期ブームとなったタイ料理ですが、酸っぱ辛いスープは南インドにもあります。それが「ラッサム」という、胡椒とタマリンドを使ったスープ。

タマリンドはアジアで獲れる果物で、疲労回復や免疫力・代謝向上・アンチエイジングや生活習慣病予防にも効果的といわれています。そんなタマリンドは強い酸味が特徴。水やぬるま湯で戻し、ほぐして使います。

ラッサム鍋は、鍋に水・トマトペースト・ほぐしたタマリンドを水ごと加えて煮、クミン・黒胡椒・にんにく・青唐辛子をつぶしてペースト状にしたものとターメリックを加えたものがスープベースとなります。猪肉・羊肉など、油が強い肉との相性が良く、春菊・水菜・パクチー・きのこ類などの香りある野菜がおすすめです。

仕上げにマスタードシード・カレーリーフをテンパリングして加えれば完璧です。さっぱりとしたスープとたっぷりのスパイスで、箸が止まらなくなること請け合いの鍋です。

蒸して香りを閉じ込める!進化系ミルフィーユ鍋

水をほとんど加えず白菜の水分で蒸しあげるミルフィーユ鍋は、ご家庭でも簡単に再現できる人気の鍋です。ここにハーブを加えることで、臭みを全く感じない上品な蒸し鍋に進化します。

食べやすい大きさに切った白菜・豚バラ肉を、交互になるように土鍋に隙間なく詰め、ローズマリー・タイム・ローレル・オレガノ・バジルをのせ、白ワイン・岩塩適量をふりかけ蓋をして弱火で蒸し上げます。蒸しあがったら、オリーブオイルをさっと回しかけると、ハーブの風味が一層引き立ちます。

白菜と豚バラのシンプルな鍋が、ハーブの香りでドレスアップするので、おもてなしにもおすすめの鍋といえるでしょう。

スパイスとハーブの【香る鍋】で心温まる冬を

消化能力が落ちる寒い時期の鍋は、身体を温めるだけでなく、胃腸に負担をかけることなく消化を促します。そこに薬効成分のあるスパイスやハーブをプラスすることで、健康効果や香りによるリフレッシュ効果も期待でき、いつもの鍋料理に変化をつけることにもなるのです。

今年の冬は、ぐつぐつと煮えた鍋の蓋を開けた時の、感動の香りをお楽しみください。