料理にコクや深みを与えたり、旨味をひと味プラスしてくれる「うま味調味料」。うま味調味料を用いることで味の輪郭がはっきりし、旨味を醸し出すための調理を省略することもできるので、忙しい毎日を送る私たちの食生活を支える大事な役割を担っています。

そんなうま味調味料には大きく分けて4種類存在します。その一つが【アミノ酸系調味料】です。では、アミノ酸系調味料とはどういった特徴があり、どのような効果を発揮する調味料なのでしょうか?アミノ酸系調味料の便利な使い方もあわせてご紹介します。

アミノ酸系調味料とは

アミノ酸系調味料とは一般的に、昆布の旨味成分であるグルタミン酸にナトリウムをつけた物質を主体とした調味料で、製品によってはアスパラギン酸・グリシンなどのアミノ酸が加えられた調味料です。日本ではさとうきびやとうもろこしを原料として発酵菌を加え、グルタミン酸ナトリウムを発生させる製法で作られます。

アミノ酸系調味料は危険?安全性について

一昔前までは、うま味調味料は「化学調味料」と呼ばれていました。以前の製法では石油由来の化合物を使用していて、化学合成の段階で混ざる不純物の中に、タールなどの発がん性の高い物質も含まれていたため、「化学調味料=身体に悪い」といった情報が広まったといわれています。

他にもアメリカでは、グルタミン酸ナトリウムを大量に摂取した後、頭痛や歯痛などの症状を訴えたケースがありました。この事例以降、「グルタミン酸ナトリウムを大量摂取すると偏頭痛の原因になる」と発表されたこともあり、当時のアメリカをはじめ日本でも、安全性が疑われていました。

しかし現在は当時とは違う製法で製造され、食品衛生法に定められた発がん性や遺伝毒性などの安全性試験をクリアした、安全な食品添加物として認定されています。アメリカの事例に関しても、のちに3つの医療機関を通じて大規模な臨床試験が行われ、グルタミン酸ナトリウムと偏頭痛の因果関係は否定されています。このことからアミノ酸系調味料は、適量を摂取する限り充分安全な食品添加物であると言えるでしょう。

アミノ酸系調味料の使い方

アミノ酸系調味料を料理に用いると、昆布の旨味成分を利用したような効果が得られますので、雑多な旨味の入らない上品な和食の煮物におすすめです。

逆に、他の旨味成分であるイノシン酸やグアニル酸、コハク酸などと組み合わせると、旨味の相乗効果で効果は倍増します。そのため、肉魚料理の旨味ベースとして用いると他の食材のうまみを引き出し、爆発的な旨味を生み出すこともできます。

例えばグルタミン酸が多く含まれる、昆布・玉ねぎ・トマト・アスパラガス・ブロッコリー・チーズを使った料理に使用すればグルタミン酸の旨味を強化することになりますし、イノシン酸を含む肉類・鰹節・煮干しなどを使った料理や、グアニル酸を含む椎茸や海苔などを使った料理に使用すれば、旨味の相乗効果で味の輪郭が際立ちます。

他にも漬物の漬かり方が足りないときや、炒飯・野菜炒めが何かひと味物足りなさを感じるとき、煮物や汁物の味がぼやけて感じるときなどに少量プラスすると、素材の旨味を引き出し、味の輪郭がはっきりしてきます。

アミノ酸系調味料は安全・手軽な日本の味!

安全性が高く、他のうま味調味料に比べて汎用性が高いアミノ酸系調味料は、少量加えるだけで豊潤な旨味を醸し出すことができる便利な調味料です。

ただし注意点もあります。グルタミン酸はそのままでは水に溶けにくい性質を持つため、溶けやすくするようにナトリウムをつけて乾燥させています。そのためグルタミン酸ナトリウムを含むアミノ酸系調味料は、使いすぎると塩分過多になってしまう可能性があります。

また、うま味調味料を多用した強いうま味に慣れてしまうと、自然の食品で作れるうま味が弱く感じてしまい、うま味調味料を使わないとおいしく感じられなくなってしまうケースもあります。あくまでも補助的な役割ととらえ、適量を楽しみましょう。