科目:ショウガ科ショウズク属

原産地:インド、スリランカ、マレー半島

別名:小荳蒄(和名)

■カルダモンはスパイスの女王

カルダモンは、最も古いスパイスの一つと言われています。その香りは、「高貴な香り」と形容され、ユーカリ油、樟脳、さらにはレモン油の香りが入り混じったようなさわやかな香りを放つ種子ができます。その高貴な香りから「スパイスの女王(the queen of spices)」と呼ばれることもあります。手摘みで収穫された実は、形が揃っていて重さが重いものほど上質とされます。漂白処理の後、乾燥させ市場に送られます。生の種を乾燥させると乾燥後はわずか25~30%の重さとなってしまうため、非常に貴重なスパイスと言えるでしょう。

■心臓の形をした生薬

カルダモンの名前の由来は、ヒンドゥー語でカルディア(心臓)の形をしたアモーマム(生薬)というところからきているといわれています。
カルダモンの歴史は古く、は紀元前1000年以上前から生薬やスパイスとして利用されています。 紀元前4、5世紀頃には泌尿器系の病気を治し脂肪をとる生薬として利用されたり、また上流階級の人々はビンロウの葉に包んで食後に噛む事で、だ液の分泌が良くなることから、消化吸収の薬として摂取してきました。
また、古代エジプトでは「聖なる香煙」とされ、神殿での祈祷の際にたかれるお香の中に使用されてきました。紀元前8世紀末のバビロニア王国でも、庭園でカルダモンが栽培されていたそうです。
また、古代の権力者たちは常に毒殺の危機にさらされていたため、王室付きの医者たちはスパイスの防腐性・殺菌力に注目し、カルダモンをはじめとするスパイスを練り固めた解毒剤を調合し、王はこれを常用していました。

世界中で広く消費されているカルダモンですが、中でもスウェーデンでの消費量が非常に多く、1人当たりの消費量はアメリカの50倍とまでいわれています。これは、スカンディナヴィアの武装船団(海賊)であるバイキングが、コンスタンティノープルを襲撃、この地で手に入れたカルダモンを母国に持ち帰りスパイスとしての調理法を伝えたことがきっかけといわれています。

■カルダモンはおもてなしのスパイス

インドでは、紅茶にカルダモンとミルクを加えてマサラティーにするのが一般的な飲み方です。
カルダモンの種は、歓待のシンボルといわれているので、カルダモンを潰さず丸ごと加えたピラフやカレーなどの料理はお客様をおもてなす料理とされています。 サウジアラビアでは「ガーワ」と呼ばれる真鍮製のコーヒーポットの口に、割ったカルダモンを数粒詰めてコーヒーを注いで作ったカルダモンコーヒーがよく飲まれ、お客様をもてなす歓迎の飲み物とされています。その高貴な香りをあなたも是非味わってみてはいかがでしょうか?