フトモモ科の植物・チョウジノキの蕾を乾燥させて作るスパイス「クローブ」は、その刺激的な香りの中にバニラのような甘い芳香を含むことから、かつては大変高価で取引されていた歴史あるスパイスです。古くは肉を主食としていたヨーロッパ各国では、胡椒と共に料理の香りつけや臭みけしに珍重されていました。

そんな歴史あるスパイス・クローブの効能や使い方についてご紹介します。

大人の香り漂うスパイス・クローブ

クローブは弱った胃腸に働きかけ、消化促進作用やを強い抗菌作用があるため、口臭予防・風邪予防に、殺菌作用もあるため古くはうがい薬にも利用されていたそうです。胃腸の調子が整うことでめぐりが良くなり、冷え性にも効果的。抗酸化力も高いので、アンチエイジングにも効果が期待されています。

そんなクローブは複雑な香りを持ち、噛むと強烈な苦みと刺激を感じ、油の強い料理をさっぱり仕上げてくれる他、バニラに似た甘い香りも併せ持つので、バニラを使った焼き菓子にパウダーを少量加えると、クローブ特有の爽やかな苦みが甘い香りを引き立てます。

ココナッツとの相性も良く、ココナッツファインを使ったクッキーにパウダーを少量加えると、こっくりした香りの中にちょっぴりビターな、大人味のクッキーが楽しめます。

フルーツの風味を引き立てるスパイス

クローブはフルーツとの相性が良いので、フルーツジャムやコンフィチュール、コンポートに2・3粒加えられることがあります。クローブは抗菌効果があるので、使うことで保存効果も高まります。

フルーツの中では特にりんごや洋ナシとの相性が良く、りんごにクローブを刺して焼きりんごにしたり、アップルパイのフィリングにアクセントとしてクローブパウダーを少量使うことで、全体の甘みを引き締めつつりんごの風味を引き立てます。

使い方の注意としては、クローブはとても香りが強いので、使いすぎると味のバランスが崩れます。あくまでもアクセントとして、フルーツの甘味やフレッシュ感を引き立てるため、少量使いを心がけましょう。

煮込むことで味わいも効能も丸ごと摂取

クローブを、カレーに使われるスパイスとして知った方も多いのではないでしょうか。クローブは大変薬効の高いスパイスですので、その効果を丸ごと摂取するには、カレーをはじめとする煮込み料理は最適です。

爽やかで刺激的な香りと甘い香りが複雑に絡んだクローブは、肉の臭みけしや複雑な風味をスープに加えるために、にんじんや玉ねぎなどの野菜やかたまり肉に直接刺して使います。クローブはそれのみを噛むと大変刺激が強いスパイスなので、直接刺すことでクローブの薬効が素材にもスープにも行き渡るとともに、あとからクローブを取り出しやすいのです。

使い方としては、カレーの他にもポトフやトマト煮込みに加えることで、多角的な風味が加わり、味に深みが増します。また、クローブは血中コレステロール値の減少に働きかけ、中性脂肪減少に効果を発揮しますので、油の強い肉を使ったスープや煮込み料理に加えると、味わいだけでなく健康効果も得られるのです。

強い香りは魔除けにも・・・クローブを楽しもう!

その強い香りからか、西欧ではオレンジにクローブを刺したものを、魔除けや虫よけに使っていたそうです。確かにクローブに含まれるオイゲノールという成分には、ゴキブリを寄せ付けない効果があると聞きます。

クローブは薬効が高く、甘いものにも料理にも幅広く利用できるスパイスです。使い方は少量で簡単なものばかりなので、ぜひキッチンのスパイスラックに常備したいスパイスです。