科目:フトモモ科チョウジノキ属

原産地:インドネシアのモルッカ群島

別名:チョウジノキ(和名)、チョウジ、チョウコウ、百里香

■釘の形の不思議なスパイス

クローブの花蕾は、釘の形に似ているため、中国では「釘」を表す「丁」の字を当てて、「丁香」と呼ばれています。また、フランスでも「釘」を意味する「Clou」と呼ばれ、これが英語名のCloveの語源になったと言われています。非常に強い香りを持っているため、「百里香」という別名もあります。

■古代では消毒剤だった!?

紀元前の古代中国やインドでは、スパイスではなく殺菌、消毒剤として使われていました。古代中国では、臣下が公邸に謁見する前に、クローブを口に含んだというエピソードも残されています。ヨーロッパには、中国商人が絹などと共に6?7世紀ごろもたらし、貴族の間で珍重されるようになりました。しかし、中国商人が長い間クローブの原産地を秘匿していたため、中国商人が独占的に交易商人として取り扱ってきました。その後、大航海時代を迎えるとコショウやナツメグなどのスパイスが貿易の中心的な商品となり、クローブも公の場に出回るようになりました。ヨーロッパがクローブの原産地をようやく発見したのは、1500年以降になります。その後、1770年になって、フランスがモーリシャスとユニオンでの栽培に成功し、今日の大農園化の礎を築きました。日本には、5?6世紀には伝わっており、正倉院の宝物の中にも丁子が納められています。

■他のスパイスと好相性!!

クローブは主に肉の臭み消しに使われます。他には、他のスパイスと合わせてカレー粉などの混合調味料として使われたり、カルダモン、桂皮、ショウガなどと合わせてチャイの香りづけに使われたりもします。生薬として使われる場合は、健胃剤として使われます。また、密教の世界では勤行前に口中を清めるために、含香としてクローブを刻んだものを噛む習慣があるそうです。

クローブの精油は、殺菌、防腐作用の他に、軽い麻酔、鎮痛作用があり歯痛止めとしても使われます。変わった効能としては、ゴキブリ除けや日本刀のさび止めにも使われるということです。

■遅れてやってきたクローブの全盛期

紀元前から発見されていたクローブですが、ずっと中国商人に市場を独占されていたため、希少性は高まったものの大量生産や安定した収穫を実現するのは、ずっと後になってからでした。しかし、他のスパイスと相性が良いことや、宗教や儀式の際にも重宝に使われることから、今では世界中で無くてはならないスパイスの一つになりました。あなたも「釘」の形をした不思議なスパイスを使ってみてはいかがでしょうか?