スパイスには植物の種や実・花を乾燥させた「ホールスパイス(粒)」と、そのホールスパイスを挽いた「パウダースパイス」があります。スパイスを使った料理を作りたいと思った時、この2種類のスパイスのどちらを買えば良いか、迷ってしまいますよね。そこでホールスパイスの利点や欠点、ホールスパイスの活用法のひとつである「テンパリング」についてご説明します。

粒のスパイスの利点【日持ちの良さ】

パウダースパイスは香りが飛びやすいという弱点があり、保存状態によっては香りがすぐに弱くなってしまいます。粒のスパイスは原型に近いものが多いので保存に向き、香りがなくなってきてもフライパンで乾煎りすることで、香りがよみがえってくるものもあります。長期保存に向くのは圧倒的にホールスパイスです。

粒のスパイスの利点【香りの劇的変化】

粒のスパイスは原型に近いので、使用直前に砕いたり折ったりして加熱することで、パウダースパイスより香りを鮮烈に発します。パウダースパイスももとは同じ粒のスパイスなのですが、加工してからある程度時間が経ってしまっているため、どんなに保存状態が良くてもスパイスの持つポテンシャルの全てを出すことは難しいのです。調理の最初に油で熱して香りを立たせるスタータースパイスは、パウダースパイスにはない力強さがある粒のスパイスでなければ勤まらない、重要な役割を果たしています。

粒のスパイスの欠点

力強い香りが楽しめる粒のスパイスにも欠点があります。それはパウダースパイスに比べ、香りが立ちにくいことです。そのため、調理の仕上げの段階で「もう少し香りを強くしたい」と思ってあとから加えても、そのままでは香りがたつまで時間がかかります。仕上げの段階に加えるならパウダースパイスが良いのですが、どうしても手元にない時は粒のスパイスにひと手間加えて香りを出やすくします。

粒のスパイスで香りの仕上げをする技【テンパリング】

粒のスパイスを使う場合、調理の最初に油で熱して香りを引き出してから素材を炒めていきます。この作業を“テンパリング”というのですが、この作業をもう一度フライパンで行い、煮込み料理や和え物に加えることで、粒のスパイスの香りを際立たせます。手順は、フライパンに油をひき、香りを強めたいスパイスを弱火~中火で熱します。そのままスパイスが焦げないように熱すると香りが立ってきます。充分香りを引き出したら、スパイスごと油を煮込み料理や和え物に加えます。この方法は一部のカレーの仕上げにも使われるテクニックです。

粒のスパイスで香りの仕上げをする技【パウダースパイスを作る】

あとから香りをプラスしたくてもパウダースパイスがない時は、作りましょう。プラスしたい香りのスパイスをフライパンで乾煎りし、ミルで挽けばパウダー状にまではならなくても、粒のままのスパイスよりは香りが立ちやすい、粗挽きスパイスになります。乾煎りすることで香りが出やすくなりますので、どうしてもミルに匂いがついてしまいますが、それでも構わないという方はお試しください。テンパリングは油を使うので、これ以上油を使いたくない時にオススメです。

力強い粒のスパイスで食卓を豊かに!

粒のスパイスにはパウダースパイスにはない力強さがありますが、反面、香りを引き出すために少しの手間が必要になります。それを補う役割がパウダースパイスなので、役割を理解し適した場面で使うことで、よりスパイスを活かせると思います。