インドネシアの小スンダ列島のひとつであるバリ島には、東南アジア独特の料理や文化が根付いています。その料理は、スパイスやハーブをダイナミックに使った独特の香りとスパイシーな刺激が楽しく、それでいてどこか懐かしさを覚える素朴な味わいが特徴。この両極端とも思える特徴が共存するのが、伝統的なバリ料理です。

そんなバリ料理に欠かせない調味料のひとつが、風味豊かな「サンバル」です。サンバルは家庭や店によって違いがあり、辛さや原料などの違いによりたくさんの種類があります。そんなサンバルの種類・特徴・辛さ度合いを、使い方も合わせてご紹介します。

サンバルの基本

サンバルは、にんにく・赤唐辛子・赤玉ねぎを石臼ですりつぶしたものがベースの調味料。ここに他の具材を加えることで、風味に個性が出ます。また、加熱するか生の状態かでも、違いがあります。

サンバルの種類【辛さ】

サンバルは辛さによって名前が違います。サンバルを選ぶときはこの名前を覚えておくと自分にピッタリの辛さを選択でき、料理にも活用できるので便利です。

  • サンバル・マニス:甘口のサンバルで、インドネシアのスイートチリソースとも呼ばれます。
  • サンバル・プダス・マニス:甘味と辛味が共存するサンバル。
  • サンバル・アスリ:中辛のサンバルで、甘酸っぱさと辛味が人気。
  • サンバル・プダス:辛口のサンバル。
  • サンバル・エキストラ・プダス:激辛のサンバル。

サンバルの種類【具材別】

サンバルは基本のにんにく・赤唐辛子・赤玉ねぎのペーストに、ほかの具材を加えて混ぜたり加熱したりすることで、辛さだけではなくさらにバリエーションが広がります。

  • サンバル・トラシ:トラシという海老を発酵させた調味料を加えたサンバル。クセが気になる方はトマトが入ったタイプを選ぶと、少し食べやすくなります。
  • サンバル・ロア:燻製した魚を加えたサンバル。バリ島の北東にあるスラゥエシ島発祥といわれ、鰹節を辛くしたような味わい。
  • サンバル・トマト:基本のサンバルにトマトを加えて加熱したもの。様々な料理に利用できる、使いやすいサンバル。
  • サンバル・バワン:揚げ玉ねぎとにんにくがたっぷり入ったサンバル。
  • サンバル・マタ:加熱しないフレッシュなサンバル。基本のサンバルにフレッシュなレモングラスを刻み、こぶみかん・ココナッツオイルなどを混ぜます。
  • サンバル・ボンコッ:ボンコッというショウガ科の植物の花のつぼみを刻み、サンバル・マタに混ぜたもの。ボンコッは日本の茗荷に似ているので、薬味のような味わい。

バリ島万能調味料・サンバルの使い方

サンバルは辛さ・具材によりたくさんの種類があり、楽しみ方も豊富。バリ風炒飯「ナシゴレン」・バリ風焼きそば「ミーゴレン」の味付けや、ご飯に添えて混ぜて、他のおかずと辛味や風味を調整しながら食べます。炒め物・和え物・スープの味付けにも利用される他、バリ風串焼き「サテ」や焼き魚・揚げ物に添えるなど、素朴な料理をスパイシーに彩ります。

バリ料理だけでなくアレンジとしてサラダに混ぜたりピザにのせたり、ナゲットやフライドポテトのソースとしてもおいしく楽しめます。

具材の入ったサンバルはそのままご飯のお供に最適なばかりか、とろけるチーズと一緒に食パンやバゲットにのせて焼けば、風味豊かなバリ風ピザトースト・バリ風ブルスケッタに。

意外なアレンジとしては、サンバル・トラシは味噌汁にも合うので、溶かすだけでいつもの味噌汁が生まれ変わります。

多様な顔を見せるサンバルは、それだけで完成された万能調味料。バリ島旅行へ出かけたら、是非本場のサンバルを食べてみましょう。