砂糖のストレートな甘味だけではなく、甘味と共に深い旨味やほのかな酸味など複雑な風味をもつ「みりん」は、出汁や隠し味を大切にする、ある意味とても日本らしい調味料です。その奥深い味わいは、エスニック料理にも有効。

みりんは、もち米・米麹・醸造アルコール・糖類などを糖化熟成させて作られる「本みりん」と、糖類・米・米麹・酸味料・調味料をブレンドして作る「みりん風調味料」の2種類があります。含まれるアルコール度数や製法に違いがありますが、この2つのみりんの特性を活かしてエスニック料理をより味わい深く楽しめ、和の風味が入ることで食べやすくアレンジすることができます。

そんなみりんのエスニック料理への活用アイデアを、3種類厳選してご紹介します。

みりん風調味料でコク旨!簡単スイートチリソース

本みりんはアルコール度数が約14%と高いため、ソースやドレッシングに利用する際は一度煮たててアルコールを飛ばす必要があります。一方みりん風調味料はアルコール度数が1%未満のものが多いので、煮切ることなくそのまま混ぜたり短時間の加熱で利用できます。

そんなみりん風調味料は、タイやベトナム料理で使用する「スイートチリソース」作りにおすすめです。

耐熱ボウルにみりん風調味料・輪切りにした鷹の爪・おろしにんにく・水・酢・はちみつを混ぜ、電子レンジで温めて冷ましたら出来上がり。

レンジ加熱は、鷹の爪の辛味を引き出すためなので短時間の加熱で良く、手作りすることでみりんの深い味わいと辛味を調節することができます。

本みりんで豚肉に深いコク!つやつや魯肉飯

台湾家庭料理は甘辛い味が多いので、砂糖だけでなくみりんを利用すると深みが増します。五香粉との相性も良いので、台湾家庭料理の代表格である「魯肉飯(ルーローファン)」に加えれば、スパイスの香りと豚の力強い旨味を、みりんのコクが支えます。

小さく切った豚バラ肉を炒め、小麦粉をまぶした揚げ玉ねぎ・砂糖を加えてなじませたら、醤油・水を加えて柔らかくなるまで煮ます。柔らかく煮えたらオイスターソース・五香粉を加えてなじませ、仕上げに本みりんを加えてツヤとコクをプラスします。豚肉が柔らかく煮える前にみりんを入れてしまうと、肉が固くなってしまいますので、本みりんを加えてからは5分ほどの加熱で完成です。

本みりんの効果で深みが増し、葱をトッピングすればご飯が止まらなくなるおかずに。

みりんで複合的な旨味を醸し出す!チーズダッカルビ

コチュジャンとチーズの旨味たっぷりの韓国料理・チーズダッカルビにも、みりん風調味料は有効です。

一口大に切った鶏もも肉に、おろしにんにく・おろし生姜・みりん風調味料・砂糖・醤油・コチュジャンを揉みこみ、ホットプレートにごま油をひきます。カットしたさつまいも・にんじん・玉ねぎ・キャベツの順にホットプレートに重ねていき、一番上に鶏もも肉をのせ、蓋をして弱火で蒸し焼きにします。野菜がしんなりしてきたら炒め合わせ、鶏もも肉に火が通ったら中央をあけ、とろけるチーズを加えます。チーズが溶けたら出来上がり。

砂糖とみりん風調味料の複合的な甘味と旨味が、辛いだけじゃない味わい深い逸品に仕上げてくれます。

簡単に料理に深みとツヤを与える・みりんを活用しよう

みりんは日本独自の調味料。他国の料理ではアルコールを使うことはあっても、みりんのように酒と旨味を兼ねそろえた、クセのない調味料は少ないのではないでしょうか。

そんなみりんを他国の料理に用いることで、その料理にはない深いコクがプラスされ、さらに他国の料理が楽しめるようになります。ここで紹介した以外にも、マレーシアやシンガポールの煮込みスープ・バクテーや、甘辛い風味の台湾風混ぜそばなど、みりんはたくさんの国の料理に利用できる調味料です。ぜひみりんの特性を生かして、他国の料理に活用してみてください。