最古の調味料といわれる「塩」は、私たちの毎日の食事になくてはならない調味料。どんな塩でもすべて元は海水からできていますが、どこから採れたかのよって「海水塩」「岩塩」「湖塩」の3つに分けられています。そんな3つの塩の特徴と選び方をご紹介します。

海の恵みいっぱいの調味料・海水塩

「海水塩」とは文字通り、海水から作られた塩。岩塩・湖塩が採れず四方を海で囲まれた日本では、古くから海水塩が利用されています。海水塩は製法により3つに分けられ、海水を電気分解することで作られる精製塩・海水を釜で煮詰めて作られるせんごう塩・海水を太陽と風の力で蒸発させて作られる天日塩があります。このうち精製塩には塩化ナトリウム以外のミネラルはほとんど含まれておらず、せんごう塩・天日塩にはカリウム・マグネシウム・カルシウムが豊富に含まれています。

そんな海水塩は含まれるミネラルにより味に違いがあり、一般的にカルシウムを含む塩は甘味があり、カリウムには酸味が、マグネシウムには苦味があるといわれています。こうした成分が含まれた海水塩は塩辛いだけでなく、味に丸味や甘味・コクや深みなどの風味を醸し出しますので、どんな食材にも相性抜群。水に溶けやすいので下味から仕上げまで、様々な料理に利用出来ます。

年月が作り上げた調味料・岩塩

海水が地殻変動などの自然現象で閉じ込められ、水分が蒸発し結晶化したものが「岩塩」です。長い年月をかけ、その土地の風土の影響を受けてできるため、塩分が凝縮された強い塩気と溶けにくさが特徴。産地により含まれるミネラルも違うので、その違いから少しずつ色や風味が違ってきます。

一般的に赤みを帯びた岩塩は酸化鉄、黒は粘土や黒砂、白は石灰石や石膏・気泡など含んでいる場合が多いとされ、鉱物や不純物を大量に含むものは食用にはならず、バスソルトや観賞用に利用されます。また、食用に適した岩塩にも鉄分やマグネシウムなどのミネラルが含まれているといわれていますが、天然の岩塩に含まれているミネラルそのものは体内で吸収することができません。ミネラルが含まれている食用岩塩の多くは、精製の過程で後からミネラルを添加したものです。

そんな岩塩は溶けにくいという特徴を生かし、塩の粒を食感に活かした料理に向いています。天ぷらやグリルした肉・魚料理・生で食べる魚料理などに利用すると、カリカリとした食感と塩の旨味が広がります。またシャープな塩辛さは油の多い料理に合うので肉料理全般・サーモンなど油の多い魚に相性が良いといわれています。

塩湖のまろやかな調味料・湖塩

世界には地殻変動などによって海水が陸地に閉じ込められてできた塩湖があります。塩湖の水分は時間をかけて蒸発していき、やがて結晶化していきます。これが「湖塩」です。湖塩が地殻変動などで地下に埋まり、長い年月をかけてできたものが岩塩なので、湖塩はちょうど海水塩と岩塩の中間のような存在です。

そんな湖塩には海水塩のように天日で乾燥させた天日湖塩と、釜で煮詰めた釜焚湖塩があります。産地・製法により含まれる成分や味わいが違いますが、天日湖塩のほうがミネラルが豊富で、その土地ならではの個性を活かした塩であることが多いです。湖塩は全体的に比較的まろやかな塩気を持つものが多いので、枝豆などシンプルな野菜料理の仕上げや煮込み料理に加えることで、甘味を感じ深みのある塩気を活かすことができます。

塩の選び方を知って食生活を豊かに

塩は私たちの周りに当たり前のようにある調味料ですが、非常に奥深い世界が広がっています。そんな基本の調味料・塩を見直すことで、私たちの食生活はより豊かになっていくことでしょう。