科目:ミカン科

原産地:日本、朝鮮半島

別名:ハジカミ

■?日本を代表する香辛料

日本古来より親しまれている山椒は、新芽、若葉、つぼみ、果実などを食用として利用し、木自体は堅くてほのかないい香りがすることを生かして、すりこぎ等に利用できるため、正に捨てるところが無い植物と言えるでしょう。味は、舌が痺れるような清涼感ある辛みと独特の香りがあります。

■?日本土着の植物

山椒は、日本では決して珍しい植物ではなく、山野に普通に自生しています。古くは縄文時代まで遡り、縄文土器に山椒の種が付着していたそうです。有史以前から日本人に慣れ親しみ利用されてきた山椒ですが、?栽培されるようになったのは明治以後で、それまでは山野に自生するものを摘み取って使っていたようです。

■料理の味を最大限引き立てる、名脇役

ウナギと言えば山椒というように、山椒はウナギの蒲焼には欠かすことができない香辛料です。ウナギに使われる粉山椒は、熟してはぜた果実の皮の部分を粉にしたものです。清涼感のある辛みが、油ののったウナギにはよく合います。また、若い芽は「木の芽」と呼ばれ、焼き物や和え物などに使われます。こちらは、鮮やかな若々しい緑を添えることで、料理を見た目と香りの両方で引き立てます。山椒の雌株の方だけ、春に花を咲かせて果実を付けますが、これは佃煮などに利用されています。

また、山椒の実は栄養面から見ても優れた植物で、食物繊維やカルシウム、ビタミンB群やビタミンEなどが豊富に含まれています。 中でもサンショオールやシトロネラールという成分には胃腸の働きを向上させてくれる効果があり、漢方薬としてもたいへん重宝されています。他にも山椒には鎮痛効果もあるので、打撲や捻挫などといった症状を緩和させる働きがあります。

■?「山椒は小粒でもぴりりと辛い」

日本には、古くから「山椒は小粒でもぴりりと辛い」という諺(ことわざ)があります。意味は、「身体は短小でも鋭利な気質や優れた才能を持っていて侮ることが出来ない」ということですが、私たち日本人にとって、山椒は諺になるほど生活に密着した馴染みの香辛料と言えるのではないでしょうか。山椒は小粒ながら絶妙な辛みと芳醇な香りで、料理の格を数段引き上げてくれます。新芽、若葉、つぼみ、果実だけでなく、木までもが私たちの食生活に溶け込み、豊かにしてくれます。

また、栄養も豊富で漢方薬としての効能もあるということであれば、摂らない手はない優れた香辛料なのです。

近年では、ヨーロッパ等でも料理に取り入れられ始めているようですが、日本でも既存の料理方法だけでなく、改めて新しい取り入れ方を考えてみるのもいいかもしれません。