インド・スリランカなどのアーユルヴェーダの考えやヨーロッパ諸国では、スパイスとハーブの薬効を医療の現場で活かしてきた歴史があります。その考えは現代も活かされていて、近年ではその有効性が認められたものに対しては、医薬品として公的機関で認定されています。

そしてスパイス・ハーブは漢方薬としても利用され、症状に応じて火を通して粉にしたり、薬効を煮出して服用したり、また、複数のスパイス・ハーブを組み合わせて利用されています。日本でもその影響を受け、スパイスやハーブは当初料理としては利用されず、薬用として利用されてきました。

そんな薬効あるスパイス・ハーブの中から、特によく漢方薬として利用される種類のものを、薬効を含めご紹介します。

丁子(ちょうじ:クローブ)

甘くほろ苦い香りと複雑な香りの特徴をもつスパイスであるクローブは、丁子の木の蕾を乾燥させたものです。

漢方の生薬としては健胃・止嘔・温裏・駆風に効果があると言われ、中でも温裏とは「陽気を補い、寒邪を除去する」という、中医学の中でも重視されている考え方です。身体を温め胃腸を整え、下痢・便秘に効果を発揮します。

肉桂・桂皮・桂枝(にっけい・けいひ・けいし:シナモン)

最古のスパイスのひとつともいわれるシナモンは、漢方の生薬としても古くから利用されています。

漢方でシナモンは健胃・発汗・止痛・補陽に効果があると言われ、身体を温め発汗によるデトックス・アンチエイジング、胃を丈夫にしたり冷え性改善にも効果を発揮します。

茴香(ういきょう:フェンネル)

魚料理によく利用されるフェンネルは、漢方の生薬として種の部分がよく使われます。

駆風・健胃・整腸・去痰に効果があると言われ、胃腸の調子を整え、腸にたまったガスを排出させる役割を担います。漢方で茴香は体内にたまった気を動かし、体内循環を活性化すると考えられているので、身体全体の機能改善に効果的ととらえられています。

薄荷(はっか:ミント)

漢方の生薬として利用される薄荷は「和種ハッカ」で、ハーブで利用されるスペアミント・ペパーミントの仲間です。

発汗・健胃・解表・透疹作用があり、発疹を促し毒素を排泄させる効果や、身体の表面の熱を発散するため、頭痛・のどの痛みの他、胃を丈夫にしてリフレッシュ効果があります。

甘草(かんぞう:リコリス)

漢方の生薬として広い範囲で利用される甘草は、日本で取り扱う漢方薬の7割に配合されているのだとか。

その効果は健胃・鎮静・鎮痙・去痰の他、他の生薬の薬効を高めたり解毒効果も含まれています。ハーブでいうとリコリスで、根の部分に強い甘味があるので、シングルでは飲みにくいハーブにブレンドされます。

スパイスとハーブは生薬、漢方を取り入れて健康に!

漢方薬ではいくつものスパイス・ハーブを少しずつブレンドし、身体を穏やかに整えていくものと、少ない種類のスパイスをスポット的に摂ることで、身体にインパクトを与え調整する方法があります。前者は病気の予防や健康維持に、後者は困った時の家庭常備薬として利用されます。一般的に漢方薬を飲むタイミングは吸収をよくするために、食前30分前後か食後2時間程度の空腹時に服用します。

漢方の考え方に基づき、予防医療としてちょっとした不調の調整として、ぜひスパイスやハーブを生活に取り入れてみてくださいね。