ハーブティーとして人気No.1を誇るカモミールは、風邪や胃腸の不快感を改善する薬草として、ヨーロッパでは古くから利用されていました。ふと鼻に抜ける花の香りと、りんごを思わせるフルーティーな香りがほのかに感じられるハーブティーであるカモミールには、ジャーマンカモミールとローマンカモミールの2種類があります。このうちハーブティーとして利用されるのは主にジャーマンカモミールで、ローマンカモミールのほうが苦みが強いという違いがあります。

そんなカモミールはともに育てやすいハーブで、家庭菜園初心者にもおすすめ。ここでは2種類のカモミールの育て方のコツやハーブとしての利用法、効果効能をご紹介します。

カモミールの植え付けや準備

カモミールを育てるには、苗を購入する方法と種から育てる方法があります。初心者におすすめなのは苗から育てる方法です。3~5月と9~10月に苗が出回りますので、緑のきれいなしっかりした苗を選び、少し間隔をあけながら植えましょう。種から育てる場合、カモミールの種は非常に小さいので、種をまいたら薄く土をかぶせ、発芽するまでは霧吹きでこまめに水やりをすると、1~2週間ほどで発芽してきます。本葉が5・6枚になったら、鉢や地面に植え替えましょう。

土は水はけがよく、どちらかというと柔らかい土を好みます。初心者の方には、市販のハーブ用培養土がおすすめです。地植えにするときは風通しの良い、できるだけ水はけのよい場所を選んで植え付けましょう。

風通しの良い場所で元気に!カモミールの育て方のポイント

ジャーマンカモミール・ローマンカモミール、ともに寒さには強いのですが、高温多湿は大敵。夏の間は日差しが強すぎない場所で、株元を蒸らさず乾燥気味に育てると、日本の夏を乗り切れます。蒸れるとうどんこ病が出たりアブラムシがつきやすくなりますので、発見したら市販の殺虫剤や牛乳スプレーなどで、早めに対処しましょう。

肥料を与える際も、窒素成分の多い肥料を与えるとアブラムシがつきやすくなりますので、注意が必要です。肥料については、ジャーマンカモミールは、植え付けの際に緩効性化成肥料を元肥として混ぜておく程度にとどめ、ローマンカモミールは花の収穫後、または2・3か月に一度、液体肥料を薄めたものを追肥しましょう。

また、ジャーマンカモミールは一年草ですがローマンカモミールは多年草なので、鉢植えの場合は年に1度、ひと回り大きめの鉢に植え替えが必要です。耐寒性がありますが、冬の間は霜が降りないように管理しましょう。

ハーブティーや入浴剤に!カモミール活用法

ジャーマンカモミールは4~6月に花をつけます。花の中心の黄色い部分が盛り上がってきて、白い花弁が反り返ってしまう前に収穫すると、香り良いジャーマンカモミールが収穫できます。春まきですと夏前には開花期が終わってしまいますが、秋まきのジャーマンカモミールは開花期まで大きく育つ時間がありますので、秋まきのほうがたくさんの花を収穫できるといわれています。

ローマンカモミールは5~7月に開花期を迎え、ジャーマンカモミールより大きな花をつけます。共に乾燥させてハーブティーとして利用できますが、ローマンカモミールは苦みが強いので、他のハーブとブレンドして飲むことをおすすめします。

またローマンカモミールは、葉や茎からもほのかにフルーティーな香りが楽しめるため、入浴剤として利用できます。

2つの違いを理解してカモミールを育ててみよう

カモミールには胃の粘膜を修復し、食道や胃腸の炎症を抑える作用のある「アズレン誘導体」という成分が含まれています。この成分は他にも、血管や消化管を動かす平滑筋への鎮静作用があるので、胃痙攣や腹痛・生理痛の緩和に効果を発揮します。

また、鎮静作用により、過敏性腸症候群や胃潰瘍など、ストレスが原因となる症状の改善にも効果的と言われています。カモミールを上手に育てて、毎日ハーブティーやハーブバスを楽しみ、美と健康にお役立てくださいね。