味噌は、大豆の良質なたんぱく質が麹による発酵作用でアミノ酸に変化した調味料。料理に深みのある塩味と甘味・旨味・コクを出し、全体の味をまろやかに整えてくれる効果があります。他にも臭みを消しながら香りをつける効果や食材の保存性を高めてくれる効果もあり、日本の食卓に欠かせない調味料と言えるのではないでしょうか。

そんな味噌は大きく原料・味・色により分けられ、さらに日本全国の各地域に根差したたくさんの“ご当地味噌”があり、その数は1700種類にも及ぶそうです。

ここでは原料によって分類された、比較的手に入りやすい3種類の味噌と、その特徴をご紹介します。

日本全国に愛される味噌界のエース「米味噌」

大豆と米麹を発酵・熟成させた味噌で、東日本・近畿・北陸といった広い地域で作られており、全国の味噌生産量の約8割を占めています。

そんな米味噌は米麹・塩の量により甘味が異なり、さらに熟成期間の長さにより赤系味噌・淡色系味噌・白味噌があります。淡色系の米味噌では信州味噌や甘口の越中味噌が有名。赤系の米味噌は仙台味噌・津軽味噌・加賀味噌など、たくさんの種類があります。甘味噌の白味噌は関西白味噌・讃岐白味噌など、西のほうに多く存在します。

どの米味噌も原料は同じですが、白味噌は着色を避けるため大豆を煮たり、麹の量を増やし塩分を抑えた、甘味が強い特徴があります。また比較的に短時間の熟成で仕上げるものが多いのも特徴です。一方の赤味噌は蒸した大豆で作られ、熟成期間は米麹を多く使っているものほど短い傾向にあります。

そんな米味噌はクセが優しいものが多いため利用範囲が広く、煮物・炒め物・汁物・タレ・スイーツなど様々な料理に使われています。

風味豊かな甘く優しい味わい「麦味噌」

大豆と麦麹を発酵・熟成させた味噌で、九州や四国・中国地方に多く、「田舎味噌」とも呼びます。

そんな麦味噌は甘口と辛口に分けられます。関東の一部の地域で作る麦味噌は、塩分が高い傾向にありますが、全国的にはさらりとした甘味の瀬戸内麦味噌や、麦麹の香り高い薩摩味噌・九州麦味噌といった、甘口の味噌が多くの割合を占めます。温暖な地域で作られるため熟成期間が短く、塩分が低く色が薄いのが特徴。使用する麹の量も多く、独特の甘みとコク・香りの虜になる方も多いようです。

甘く香り豊かな麦味噌は、その特徴を活かして豚汁やさつま汁・冷や汁に最適。野菜や肉の甘味を引き出してくれるので、豚味噌の味付けやきゅうりなどの生野菜に添えたり、柚子味噌といった風味味噌・ドレッシング・和え物にもおすすめです。

複合的な味と旨味とコクNo.1調味料「豆味噌」

大豆と豆麹を発酵・熟成させた味噌で、中京地方に多い味噌です。熟成期間が長いため赤系米味噌よりも色が濃く、渋味や濃厚なコク・深い旨味とほのかな苦味といった、コントラストのある味が特徴です。

そんな豆味噌は、八丁味噌・三州味噌・三河味噌が有名。これらの味噌は“甘い”といったイメージを持たれていますが、それは味付けの段階で甘味を加えているためで、豆味噌自体は米味噌・麦味噌に比べて塩辛い調味料です。

また米味噌や麦味噌は、あまり長時間煮込んでしまうと香りや旨味がぬけてしまうのですが、豆味噌の力強い味わいは煮込めば煮込むほど深い味わいを醸し出します。その特徴を活かし、味噌煮込みや味噌おでん・炒め煮に向きます。さらに豆味噌は身体を温める効果が高い味噌とも言われていますので、冬の寒い時期には味噌を使った鍋や味噌汁がおすすめです。

他にも濃厚な風味はタレにぴったりで、ふろふき大根の味噌や田楽味噌・味噌カツに用いられています。

個性豊かな調味料・味噌

日本全国各地には個性豊かな味噌があり、最近では雑穀を使ったキヌア味噌や、ひえ・あわ・きびを使った味噌、蘇鉄味噌といった珍しい味噌も存在します。

また味噌は、遠い地域を混ぜるとおいしさが増すといわれていて、特徴の違う数種類の味噌混ぜることで味の幅が広がる効果が期待できます。今はスーパーや通販など、どこにいても全国の味噌が楽しめる時代です。色々な味噌を使ってオリジナルブレンド味噌を作ってはいかがでしょうか。