ヨーロッパで古くから利用されるハーブのひとつ・タイムは、なんとも言えない気品ある香りと清涼感が魅力のハーブです。その清々しい香りとかすかに感じるほろ苦さは、料理に別角度からのアプローチを与え、ヨーロッパの食卓にとっては欠かせないハーブです。そして香りの良さだけではなく防腐・殺菌作用があるので、保存食にも重宝されていました。

そんな歴史あるハーブ・タイムの効果や効能をお伝えしながら、料理に上手に活かす使い方などをご紹介します。

ハーブ界No.1殺菌力を誇るタイムで保存食

タイムにはチモールという成分が含まれていて、この成分の効果により強い殺菌力があります。その効果を利用し、ピクルス液にタイムをブレンドすることで、保存食として利用できます。

使い方は、水にローリエ・タイム・鷹の爪を入れて煮出し、香りが立ったら塩・砂糖・酢を加え、砂糖と塩が溶けたら火を止めます。これでピクルス液は出来上がりなので、あとは下処理をした野菜を煮沸消毒した保存瓶に入れ、ピクルス液を注ぎます。

タイムやローリエなどのスパイスを一緒に漬け込むことで爽やかな香りが飛ばず、かつ保存にも効果を発揮します。

長時間加熱も負けないタイムの気高さ

タイムはその清涼感のある香りから、肉や魚の臭みけしに利用されてきました。気品ある強い香りは長時間加熱しても失われないので、煮込み料理に加える「ブーケガルニ」のひとつとしてもおすすめ。タイム・ローリエ・セロリ・ローズマリー・セージなどを紐で結んでまとめ、スープやシチュー・煮込み料理に加えると、臭みけしと同時に爽やかな風味が加わります。長時間ローストするローストチキンに詰めてもいいですね。

またローストチキンには、タイム・ローズマリー・オレガノ・セイボリー・セージなどと組み合わせた「エルブ・ド・プロヴァンス」をすり込んで焼くことで、チキンに香り豊かな深みを与えてくれます。エルブ・ド・プロヴァンスは魚のソテーやスープにもおすすめです。

風邪対策のハーブティー、タイムの使い方

タイムは去痰作用があり、のどの痛みや呼吸器系のトラブルに効果を発揮します。また、免疫力を高めてくれると言われていますので、タイムを使ったハーブティーは風邪や喘息の症状の緩和に効果的です。

使い方はポットにタイムを入れ、熱湯を注ぎ、しばらく蒸らせばできあがり。タイムティーはシングルですと苦味と香りが強く出ますので、はじめはカモミールやレモンバームと混ぜると飲みやすいでしょう。紅茶に混ぜるのもおすすめです。

タイムは勇気のしるし

タイムは食用として利用されるばかりでなく、中世ヨーロッパでは持つものに勇気を与えたり勇敢さの象徴とされていて、戦場へ向かう戦士の胸ポケットに、奥様や恋人がタイムを忍ばせたんだそうです。

他にも香りをくゆらせることで場の浄化や、枕の下に入れて安眠を助けたり、気管支炎にも有効なので入浴剤として利用されたり、お葬式の際は死者がちゃんと成仏できるように、棺の中にも入れられたそうです。

タイムの気品ある香りは様々なハーブと相性が良く、料理に豊かな風味を与えるだけでなく、心身を整え、前向きな気分にさせてくれます。特別な日の一品に、ぜひタイムを使ってみてくださいね。