四川料理に欠かせないスパイスのひとつ・花椒(ホワジャオ)は、日本の山椒と同じミカン科の華北山椒の果皮です。その特徴はまさに中国版山椒と呼んでも良いほど、山椒とよく似ています。パキッと目がさめるような爽やかな香りと共に、中華料理では「第6の味覚」と呼ばれる痺れる辛味が、料理にメリハリを与えるスパイスです。そんな花椒の使い方を、麻味を料理に取り入れることで得られる効果と共にご紹介します。

花椒で「マー活」!麻味しびれる使い方

麻婆豆腐の唐辛子の辛味と舌がしびれる「麻」の感覚は、花椒の大事な役目です。中華料理ではこの味を「麻味(マーウェイ)」と呼びます。この花椒の麻味と唐辛子の辛味である「辣味(ラーウェイ)」を合わせた「麻辣味」は、麻婆豆腐や担々麺に欠かせません。他にも四川料理の前菜や和え物、回鍋肉・青椒肉絲などに用いられます。

使い方は胡椒や唐辛子の使い方と似ていて、食材を炒める前にプラスして香りを立たせたり、料理の仕上げにミルで挽いた花椒をふりかけることで、花椒の香りが鼻腔を駆け抜けます。花椒を料理に取り入れる「マー活」をすることで、香りや辛味がプラスされるだけでなく、ホルモンのバランスを整えたり精神安定や消炎鎮痛、血圧を下げ消化を助けるなどの効果があります。他にもお腹を温める効果があることから、お粥に入っているのを見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。このような効果から、中国では古くから漢方薬にも使われています。

花椒を使った調味料の使い方

花椒は香りと痺れる辛さを活かした調味料にも使われていますが、種類が多いのでどれを使って良いのかわからない方もいると思います。そこで花椒を使った代表的な調味料と、その使い方をご紹介します。

  • 花椒塩

花椒を粉にして塩と混ぜた花椒塩は、から揚げに揉みこんだり仕上げにふりかけることで、花椒の爽やかな香りと麻味のしびれがから揚げの油っこさを和らげます。天ぷら塩にもおすすめで、淡白な食材にも刺激的なアクセントを加えてくれます。

  • 花椒辣醤

豆板醤に花椒をプラスし、鮮烈な辛味と痺れ・爽やかな香り豊かな調味料です。花椒辣醤を加えるだけで炒め物やスープが本格的な四川料理の味になりますし、あとから料理にそのまま足して使うことも出来るので利便性の高い調味料です。

  • 香辣醤

豆板醤に花椒や八角などのスパイスを加えた調味料。花椒辣醤より複数のスパイスが使われているため、花椒の風味は控えめに感じます。鮮烈な香りだけでなく、複合的な香りを楽しみたい方におすすめです。

  • 花椒油

花椒をオイル漬けにして成分・風味を溶かしこんだ花椒油は、冷菜などの和え物に最適。和えるだけで花椒の鮮烈な風味が料理にプラスされます。複雑な旨味が入った花椒辣醤・香辣醤より上品に仕上げることができ、辣油のようにごま油や唐辛子の風味もなく、いたってシンプルな香味油です。塩味などもないので、味付けを自由にできます。

花椒とクミンで手作り万能調味料

牛肉や羊肉をよく食べるウイグル地方では、花椒とクミンを組み合わせた料理をよく見かけます。そんなウイグル地方の肉の漬け込みだれをアレンジした万能調味料「花椒とクミンの醤油だれ」をご紹介します。

  • フライパンにごま油50ml・クミン・花椒各大1・鷹の爪適量を入れて、弱火で熱します
  • クミンからシュワシュワと泡が立ち、いい香りがして来たら火を止めます
  • 醤油100ml・酢50mlを加えて混ぜたら出来上がり

このたれを味のベースに、炒め物や炒飯・焼きうどんに、焼き肉のたれにおすすめ。じゃばらに切ったきゅうりを漬けてもおいしくいただけます。

幸せのスパイス・花椒でマー活を始めよう

辛味に感覚は正確には痛覚に分類されますので、麻辣を摂ることでβエンドルフィンという成分が分泌されます。βエンドルフィンは多幸感をもたらしたり精神を前向きに保つ効果を発揮しますので、定期的に摂ることで毎日を幸せに過ごすことが出来るんです。

そんな効果もあるせいか、痺れる辛み「麻味」にハマる方も近年上昇していて、中国から日本へ花椒輸入量はここ10年で5倍に上昇しているそうです。クセのある香辛料ですが、ハマったら食べずに入られないスパイス・花椒。今まで敬遠してきた方は、まず挽きたての花椒を使ってみてください。香りの良さとしびれるおいしさに驚くはずですよ。