ハーブティーとしてよくブレンドされているエリカは、ヨーロッパや西アジア、北アフリカなどに分布している常緑低木です。その種類は多く、呼び名も複雑で、ヒース・ヘザー・エリカなどと呼ばれています。数ある種類の中で、ハーブティーに利用されるのはジャノメエリカ(学名 Erica canaliculata)とエリカ(学名Erica vulgaris)と呼ばれる品種の花のつぼみです。そんなエリカの育て方のコツや利用法、効果効能をご紹介します。

目次

エリカの植え付けや準備

エリカは苗を手に入れて植え付けるのが一般的。根が細かく根詰まりしやすいので、根についた土が固まっているようであれば、手でもみほぐしてから植え付けましょう。地植えでも鉢植えでも育てることができますが、鉢植えなら毎年、春か秋に根鉢を崩して植え替えをします。植え替えや植え付けに適した時期は3・4月と9・10月です。

エリカは多肥多湿と蒸れに弱く、日当たりと風通しの良い乾いた土が適しています。そのため地植えの場合、根付いたら水はあまり必要としません。鉢植えの場合でも、水切れがしない程度で十分です。表面の土が乾いたら、たっぷりとお水をあげましょう。

植え替えで元気な株に!エリカの育て方のポイント

アフリカやヨーロッパのやせた大地で生育してきたエリカですので、肥料も水もあまり必要しません。

そんなエリカの栽培の注意点は害虫。生育期にはアブラムシに注意し、風通しや日当たりが悪いとカイガラムシが葉の裏や茎に付くことがあります。蒸れに弱いので、風通し良く日当たりのよいところで育て、必要に応じて剪定を行うなどの対策をしていれば、病気の心配もほとんどありません。

他に注意点は植え替えです。エリカは根が細く細かいので、開花中を避け、春か秋にひと回り大きな鉢に植え替えることで、のびのびと育てることができます。肥料は植え替えのタイミングであげましょう。

地植えの場合は植え替えの必要はなく、むしろ植え替えには不向き。肥料もあまり必要としませんが、元気がないようでしたら4月か5月にあげましょう。夏の高温多湿の時期に肥料が残らないように、あげてみてくださいね。

泌尿器系トラブル・美容にエリカ!エリカ活用法

ハーブティーとして利用されるエリカ。花や葉を主に利用し、花の部分はミネラルが豊富だといわれています。抗菌作用・利尿作用により泌尿器系をキレイにする効果があるといわれ、膀胱炎・尿道炎などの感染症予防、結石予防に効果を発揮します。

他にも尿酸の排出を助ける作用があり、痛風やリウマチの症状の緩和にも有効とされています。

また、エリカは美容にも効果的。メラニン色素の生成を抑制する成分が含まれていますので、ハーブティーとして摂ることで、体の内側から美白効果が期待できます。この効果からハーブバスにも有効といわれ、収れん作用もあるため、化粧水や手作り石けん作りにも利用されています。

可憐なハーブ・エリカを育ててみよう

ハーブティー・ハーブバス・化粧水・石けんなど、幅広く活躍するエリカ。鈴なりに咲く花を摘み取って乾燥させれば、いつでも好きな時に使えて便利です。摘み取ることで剪定にもなるので、害虫の繁殖を防ぐことにもなり一石二鳥です。

乾燥させるときは網やネットなどに入れ、直射日光の当たらない風通しの良い場所で、完全に乾くまで乾燥させることがポイントです。水分が残っているとカビの原因になりますので、注意しましょう。