ヨーロッパでは、古来より葉の部分を薬草として利用している「セイボリー(サボリー・セボリー)」ですが、日本ではあまり有名なハーブではないかもしれません。見た目はローズマリーのような細い葉で、セージに似た香りと青いほのかな苦味が感じられ、微かに胡椒のような辛味が爽やかなハーブです。

そんなセイボリーは現在では薬用として使われることはあまりありませんが、今でも消化促進・整腸・食欲増進・殺菌鎮痛・冷え性改善・呼吸を整えるのに効果的と言われ、料理やハーブティーに用いられています。セージより香りが穏やかで胡椒ほどの辛味がありませんので、料理にほのかな清涼感を与えたいときにおすすめです。

そんなセイボリーの使い方をご紹介します。

目次

豆のハーブ・セイボリーの使い方

セイボリーはドイツでは、豆料理に欠かせないハーブです。レンズ豆を使ったスープ「リンセンスッペ」や、レンズ豆とソーセージの煮込みに入れると良いアクセントになります。

フランスでは豚肉ソーセージや羊肉・ガチョウ肉・アヒル肉などを白いんげん豆のトマト煮「カスレ」にも使われ、ローレルやオレガノと一緒に刻んだセイボリーを入れれば、臭みを取ると同時に爽やかな香りで料理を引き締めてくれます。

また、豆を茹でるときにローレル・オレガノ・タイムと一緒に入れて塩ゆですると、ハーブの良い香りと塩味が豆全体に行き渡り、ツナとオリーブオイルと和えてイタリア風の前菜に。サラダのトッピングにも利用できます。

肉の臭み消しにもセイボリー

セイボリーは乾燥した状態やパウダーとしても手に入れることができますので、オレガノ・マジョラム・セージ・バジルなどと一緒に肉にすり込んで、ソテーや串焼きなど、肉料理の臭み消しや香り付けに利用することができます。

他にもサボリー・ローズマリー・タイム・オレガノを同量合わせれば、エルブドプロヴァンスというミックスハーブになります。フレッシュなものを紐で束ねて煮込み料理にも利用できますし、本来の使い方のアレンジとして、アヒージョや香草焼きにもおすすめです。

ポトフなどシンプルな煮込み料理に加えると、臭みけしと共に香りが一気に華やかになりますので、特別な日の一品に如何でしょうか。

セイボリーの一番簡単な使い方

セイボリーはオムレツやスクランブルエッグなど、優しい味わいの卵料理に加えることで上品で爽やかな香りをプラスすることができます。

卵に塩とセイボリーだけで香り良い卵料理になりますし、スクランブルエッグに添えられることの多いベーコンやソーセージ、豆の煮込み・塩ゆでブロッコリーとも相性抜群。

おすすめはじゃがいもと卵を使ったスペイン風オムレツ「トルティージャ」。少量のセイボリーを加えるだけですっきりした風味に仕上がりますし、チーズを加えてもリッチな味わいを楽しめます。

また、チーズとの相性の良さからキッシュにもおすすめです。

ソース・ドレッシングにセイボリー!気軽に楽しもう

他にもセイボリーは、市販のドレッシングやマヨネーズに混ぜて手軽に使えるのも魅力。パウダーのセイボリーを混ぜるだけで、いつもと一味違う上品な爽やかさが楽しめます。

そしてフレッシュなセイボリーが手に入ったら、オリーブオイルに漬けたハーブオイルもおすすめです。そのままマリネに利用したりドレッシングのベースオイルにも使うことができ、手軽に香り良くセイボリーを楽しめます。

また、セイボリーを使ったハーブティーは、食後の消化促進やおなかの調子が悪いときにおすすめです。シングルよりオレンジピールやミント・カモミールと合わせると飲みやすくなりますので、ぜひお試しくださいね。